YYamada

Summer of 85のYYamadaのレビュー・感想・評価

Summer of 85(2020年製作の映画)
3.7
【ヒューマンドラマのススメ】
 ~映画を通じて人生を学ぶ

◆作品名:
Summer of 85 (2020)
◆主人公たちのポジション
恋愛感情で結ばれる10代の青年
◆該当する人間感情
 恍惚、憎悪、感傷

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・セーリングで沖に出た16歳のアレックスは突然の嵐に見舞われ転覆、18歳のダヴィドに救出される。2人は友情を深め、やがて恋愛感情に発展、アレックスにとって初めての恋となった。
・そんな2人は、ダヴィドの提案で「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊る」という誓いを立てるが、ダヴィドの不慮の事故により、2人の時間は終わりを迎える。生きる希望を失ったアレックスを突き動かしたのは、ダヴィドとあの夜に交わした誓いだった…。

〈見処〉
①あの夏の君を、心に刻んだ——
破裂しそうなほどの初恋の衝動。
・『Summer of 85』(原題: Été 85)は、2020年に製作された、フランス・ベルギー合作の青春映画。
・本作はフランスの人気映画監督、フランソワ・オゾンが若かりし日に影響を受けた、イギリスのヤングアダルト向け小説「おれの墓で踊れ」(1982)をもとに、16歳と18歳の少年の人生を変えた、6週間のひと夏の初恋を描く。
・主演は、オゾン監督がオーディションで見いだしたフェリックス・ルフェーブルとバンジャマン・ボワザン。

②結び…本作の見処は?
◎: 今どき作品に多い、LGBTをテーマに加えつつも、普遍的な青春映画として「現在パート」と「回想パート」の2軸の時系列を交互に展開。非常にわかりやすく、没入感が高い作品に仕上がっており、高い純度の恋愛映画となっている。
○: 北フランスの海辺の街をロケ地に全編16mmフィルムで撮影。そのざらざらとした質感が、80年代当時に撮影されたかのような美しい仕上がりが印象的。
○: また、劇中を飾るTHE CUREの「In Between Days」とロッド・スチュアートの「sailling」も、作品質を高めている。
▲: ファッションは80'sであるものの、普遍的なテーマの本作では、当時のサブカルチャーの描写は弱め。

③本作から得られる「人生の学び」
誰もしも「忘れられない恋の思い出」はあろうが、過去を乗り越えて、新しい物語を生きよう
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