月下香

Summer of 85の月下香のネタバレレビュー・内容・結末

Summer of 85(2020年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

🌙2023.07.04__23-72

おれの墓で踊れ

「これは君の物語じゃない」から始まる映画
「彼が未来の死体」で紹介されるダヴィド

彼と過ごしたたった6週間、362万8800秒
一夏の恋がエモくて切なくて悲しい

映画館で観て凄く刺さって、
すぐに原作を買い、2回目を観に行った映画
こんなにも好きなのに登場人物の
誰にも感情移入しきれないある意味凄い映画

オープニングタイトルが出る時、台詞の言い回し、
色合いやファッション、フランスの風景、曲中歌
この映画の全てがどストライク
そしてバンジャマン・ヴォワザン
本当にカッコ良い...
映画館で観た時、一瞬で沼に落ちた

出会い、映画館、遊園地、クラブ、
船に乗るシーン、2人でバイクに乗るシーン...
どれも凄くキラキラしていて大好き
その中でもクラブで踊るシーンが個人的ハイライト
フラッシュがチカチカしていて
コマ撮りみたいに見える撮り方が好き
そのあとヘッドホンをダヴィドが付けて
1人だけ別世界に入るアレックス
周りで楽しそうに踊り続けるダヴィド
この急に温度差が出る表現も好き

ダヴィドの死体に抱きつくシーンや
墓の上で踊ったり2人にしか分からない
愛の形があるんだろうなという事が分かる

アレクシをアレックスと呼ぶのも好き
事故後もアレックスと自ら名乗っているのも好き
この夏からアレックスになったんだ、って

初対面のアレックスの服を脱がせたり
食べちゃいたいと発言したり
これだけでも怖いと思ったのに、
あなたが殺した、よくもこんな仕打ちを...!
と発言したり色んな意味で理解できないダヴィド母
既に亡くなっているダヴィド父
助けが必要になったら父さんを頼りなさい
と言ってくれるアレックス父
何かと息子を気にかけてそっと支えてくれる母
両親の対比なのかな

「自分が幸せと感じることをして欲しい
 一生かかっても見つけれない人もいる」
アレックス母のこの台詞好きだった 

個人的には先生も素敵だな〜
大人で干渉しすぎずでも見放すだけで無く
程よい距離で見守ってくれる優しさ

アレックスが初めて2人で過ごした夜を
「最高に美しい夜だった、ダヴィドとの夜」
と言っているの最後まで見てから
改めて考えると胸が締め抜けられる

エンドロールの歌詞はダヴィドの気持ちなのかな
そうだったらちょっと嬉しいな
ダヴィドの気持ちが分からない人は多いと思うから
原作を読んで欲しい
思っている以上にアレックスの事が好きだから...笑

毎年、夏の終わりに見たくなる映画

「待つ必要なんてない、人生は短い」
月下香

月下香