正直なところCMBYNみたいな感じかなと思っていたけどまた違った雰囲気の作品で良かった。
フランソワオゾンは"死"を扱った作品が多いようだけど答えを出さずに観客側に考えさせる演出が上手い。
「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊る」という意味不明な約束を強引にして本当に亡くなってしまったダヴィド。彼の真意はなんだったのか。いなくなってから見えてくる彼の本当の姿。そしてそれに困惑する主人公。アレックスはあまりにも若くて純粋すぎた。
知らぬ間に理想や願望を愛と信じ込んでしまうことはあるだろうけどそれはすごく危険なことでもあるんだな。
安置所でのアレックスが正気を失ってしまうシーンは衝撃だった。繊細な演技が刺さる。
80'sロックンロールにのせて墓の前で狂ったように踊る。どう見ても狂気の沙汰としか言えないはずなのに私の目には美しく映って涙が止まらなくなった。
過去を乗り越えて新しい物語を生きていくこと
と言ってもあんな別れ方をしたら一生忘れられないよ、、
ノルマンディーの海辺を背景にあまりにも眩しくて儚い夏の恋、じわじわ心に沁みる。
言葉で多くを語らず、観る人の想像力に託されるフランス映画の趣。最高。