いかちき

Summer of 85のいかちきのネタバレレビュー・内容・結末

Summer of 85(2020年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

フランソワ・オゾン監督作品って観たことなかった。
85年の南仏の明るく気怠い映像がいい。
「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊る」という誓いは既視感があるなと思ったら「おれの墓で踊れ」という原作があったのか。読んでないけど。

アレックスとダヴィドの出会いがドラマチックだ。そりゃ恋に落ちるわ。
ダンスシーンでダヴィドがアレックスだけにカセットプレーヤーで曲を聴かせるのがすごくグッときた。
ただしその曲がロッド・スチュワートの「Sailing」だったのは個人的に微妙。映画的にはそれしかなかったのかもしれないが。
あれは聴かされなくてもやってみたい。何を聴くか考えてみよう。

アレックスはいかにも繊細な文学少年で自分の中で物語を再構築するしか術がないのがとても理解できた。
ダヴィドも亡父の意志を継いで仕事をし、大人びていて強引で、でも子どもだった。性急で恐れを知らなすぎた。
永遠なんてないと気づくには二人ともまだ早すぎた。
なのに薄々気づいているであろう親はどうすれば良かったのか。

THE CUREの「In Between Days」はとても良かった。

最後に言わなくてもいいことかもしれないけど、ダヴィドが満島真之介に見えてしまっていけなかった。
それさえなければだいぶ違ったのに!
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