ボギーパパ

アナザーラウンドのボギーパパのレビュー・感想・評価

アナザーラウンド(2020年製作の映画)
4.0
劇場2021-59 ブルク横浜
デンマーク🇩🇰作品

バイキングの末裔も多くいるだろうデンマーク。平坦な土地ではあったものの国土が小さく交易のために海に出た民の血脈か、劇中の台詞にも「
この国の人は飲んだくればかり」という事を象徴するオープニング。
ん?どう見ても高校生くらいじゃないか?と思ったら、その通り。え?高校生がこんなにおおっぴらに飲むのか?そしてその酔っ払いにも鷹揚な対応の電車の乗客。驚くばかり。

中年の域に達し教育にやり甲斐もなく、夫婦関係にも翳りがあり鬱々とした日々を過ごすマッツ・ミケルセン演じる高校教師と同僚3人が、ノルウェーの哲学者の血中アルコール濃度0.05%がリラックスしてハイパフォーマンス出せる説を実証実験しようというストーリー。

その実験も最初はいいけど、もう後は観ていられない。上映中、針の筵に座っているかの如く自分の身にもグサグサ刺さる。下手なホラー作品より手に汗握り、恐怖が襲ってくる。本当に怖い!

細かいことは言いませんが、、、
そうなんだよなぁ、今日は飲まないゼッタイ!って思っていても何人か集まってそいつらが飲んだら、やっぱり飲んじゃうよなぁ。実験が佳境に進むと限界に挑戦とかいって「発火点」越えちゃうと、ああなるよなぁ、などなど身につまされる。
その上、デンマーク人、ガタイもでかいからまぁ凄い凄い!

大丈夫、自分は律せる!なんて事は無いのですよ。自分も数多くの失態を引き起こしてきたのでよーーーくわかっているが、人間は弱いものなのだという事を本当に実感!これドキュメンタリー作品?アル中矯正教育映画?それとも心理ホラー作品?一生忘れられない作品となりました。

メガネくん、君のシュートも、毅然とした態度も忘れないよ…

追記
宇多丸さんの評!神回かも
ラストシーンの読み解きは啓示か。
主人公の言葉にできない感情の表現。
酒と踊りは太古から無くならないもの。
飛翔かあるいは墜落か?心に染み入りました!
アナザーラウンド!もう一杯(^^)
ボギーパパ

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