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アナザーラウンドのtomtomのレビュー・感想・評価

アナザーラウンド(2020年製作の映画)
3.5
自信のなさから仕事・家庭生活ともに行き詰まりつつあった歴史教師のマーティンは、古い友人との飲み会で、血中アルコール濃度を0.05に保てば、人は最も良いコンディションを維持できるという与太話を耳にする。彼らは自ら率先し、この仮説が正しいかどうか立証しようとするが...

お酒を飲んでほろ酔い気分になった時、普段もこれ位の気分の方が仕事がうまくいくんじゃないの、と考えたことが、一度や二度ならずある。実際、円滑なコミュニケーションを助ける力があるのは間違いないし、お酒に対する良い思い出は多い。しかし、これについてはまた逆も然り。そういうお酒の功罪両面を、飲んだくれのおじさん達を通して描いた映画だった。

個人的には、ストーリーも然ることながら、仲の良い友達と飲んだときの気持ちの良い酩酊感が、映像や音楽を通して思い越される感覚が好きで、自然と冷蔵庫の泡盛に手が伸びてしまった。国によってはタブーにされがちな内容だとは思うけれど、デンマークは世界でもアルコールの消費量が多い国らしく、こういう映画が受け入れられる土壌があるのだろう。お酒というワンテーマを、深く、感覚的に掘り下げているようで、個人的には好みの映画だった。
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