最初に言わせてほしい、やっぱりマッツ・ミケルセンはカッコいい。何着てても似合うしどんな役でもこなせる。あの気品と荘厳さは一体どこからやって来るのか。マッツかっこいいよマッツ…。
冴えない中年高校教師4人組がお酒の力を以て再び人生に価値を見出そうとする物語。謂わゆるワンスアゲイン映画ですね。学校でも家庭でも上手くいかない教師達がとある理論(？)を実践しようと手を付けたもの、それがお酒でした。
ただこの映画、お酒映画であってそうではない。決して観ていて飲みたくなってくるような作品ではないように感じました(私はあまりお酒が得意な方ではない為、好きな方はまた別かもしれませんが…)。この辺が良心的で、お酒の良い面悪い面をバランス良く描いてて好感が持てましたね。勿論テーマは『お酒』なんですが、何だったら別な物でも代用可能だと思います。
じゃなんでお酒やねんって思ったら、やっぱデンマークだからなんでしょかね？ ビックリしたんですがデンマークでは法律上、飲酒に関する年齢制限が無いそうで(違ったらゴメンネ)、未成年でも飲みまくり。もうガブガブですよ。
ヤベェよデンマークまじヤベェー。お酒王国…、いやお酒天国やんけ！
冴えない駄メンズ中年が大好物な人にも本作は堪らないことでしょう。オッサン達のワンスアゲインものですが、こういった映画の中の酔っ払ったオッサンの可愛さって何なんでしょうね。リアルなら敬遠するんですけど、映画だとメッチャ和みます。寧ろ酒よりオッサンが欲しい。
唯一気になった部分はマッツ演じる主人公マーティンが妻との関係に決定的な亀裂が入る場面。あそこだけがどうも納得いかない。それいるかなぁ？ なんかあの設定が言い訳がましく感じてしまいました。
本作はお酒を飲む人飲まない人で少し観方が違うかもしれません。でも何かの力を借りてでも(本作ではお酒ですが)変えたいと思う人生のままならなさなど皆が共感できるメッセージ、またお酒に対し否定的ではなく、寧ろ肯定感を持って描かれているのは伝わると思います。じゃなければあの終盤は描けていませんからね。
ラストには元ダンサーであるマッツのキレッキレのダンスも見れてメッチャお得！ 世界に60億いるマッツのファンがさらに増えること間違いなしです。是非ともオススメの一作です。
皆さん、お酒は用法容量年齢を守って楽しく飲みましょう！
