サトタカ

アナザーラウンドのサトタカのレビュー・感想・評価

アナザーラウンド(2020年製作の映画)
3.4
若い頃は無茶な飲み方をして、飲んだ翌日一日中トイレから離れられず吐きまくったり、バッグを紛失してお金から免許証から保険証までなくなったり…そんなことが多かった。酔っ払ってとんでもない失敗するのがおもしろい、イケてるみたいな価値観?中島らもの小説読んだりねぇ…、今思うと恥ずかしくなってくる。
しかし気がつけば、大酒飲みでエラそうにしていた先輩たちは、酒(&タバコ…酒とタバコはセットだった)のせいとしか思えない病気を患い早逝していた。

自分は会社員を辞めてフリーなって数年後、時間とお金を無駄にしたくなくて断酒した。
二日酔いで飲んだ次の日を潰すことがなくなり、快適だ。最近はノンアルコール飲料の種類も、飲まないという人も増えているようで、酒を飲まなくても昭和の時代よりずっと生きやすくなったと思う。

この映画は飲酒文化肯定、有害な男性性批判上等というエッジの立ち方で、なかなか驚かされた。
デンマークの人たちはずいぶん若いうちから酒を飲むようだし、多分アルコール耐性も高いんだろうね。でもそれを差し引いてももっとひどいことが起きてもしかたないくらいの酔っ払いぶりだったし、シリアスな問題が起きてもなんだか無反省で、いい大人がみっともないなと思ってしまった。
マッツ・ミケルセンが高貴さすら漂わすイケオジだからギリ成り立ってる脚本じゃない?メガネのサッカー少年は…かわいかったなぁ。あの子のためにも長生きしてほしかったよ、トミー…

マッツの喪服ダンスは…そりゃすばらしいよ、あれで誤魔化されちゃうね。
最後は飛び立つ鳥みたいなシルエットになってたし。失敗もして、飛び方を学んだってことか?さぁ、人生のアナザー・ラウンドってか?この能天気さ、見習ったほうがいいのかもしれない。
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