デンマークの夏至は23時まで明るいらしい。映画の季節は分からなかったけれど、学期末なら8月末だろう。
映画の中でも夜にも関わらず、空が白んでいた。
靄のかかったかのような冷たくて仄暗い青。映画の随所にみられ、感傷的な気分になる。
老いへの絶望と諦めを暗喩する、斜陽の美しさを見た。学生たちの若さとの対比が虚しい。
最後のダンスは、作り手の意図とそぐわないかもしれないが、今の私にとっては過去への憧憬のようで惨めだと思った。もう少し歳を重ねれば素直に受け取れるようになるのだろうか。その自問こそ若さであり希望なんだと、自分自身を慰めておくことにする。
ただ、年甲斐もなく仲間と無邪気にサッカーをするのは、楽しそうだと思った。それだけが人生のよすがのように思える。