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ジュゼップ 戦場の画家のMALPASOのレビュー・感想・評価

ジュゼップ 戦場の画家(2020年製作の映画)
3.7
映画『ジュゼップ 戦場の画家』

実在のスペイン人画家の半生を描いたフランス・スペイン・ベルギー合作のアニメーション

以前、日本の戦場画家について興味があり調べてことがあるんだけど、こちらは戦場の画家。戦場画家は絵を描いて戦場を記録するという軍の任務。それとは違っていた。

スペイン内戦で難民となり、フランスの収容所に送られてきた画家ジュゼップ・バルトリ。彼の苦難の日々を一人の老人の回想によって描く。スペイン内戦は何度か映画でも描かれ、ロバート・キャパの写真でも知られているのが、難民となった人の収容所の話は初めて知った。優しい感じの絵で描かれるのは、ジョゼップとその周辺の人の置かれた悲惨な運命。過去は絵画のように、現代はアニメーションと描きわけられている。

フリーダ・カーロの絵が好きで、メキシコ・シティの「青い家」にも2度訪れたことがある。フリーダと壁を青く塗るシーンが登場する。リーダとのエピソードを知りたかったのも観た理由。映画に登場するジョゼップが済みメキシコの家は、「青い家」のすぐ近くにある革命家トロツキーが身を隠していた家。なんだか少し懐かしい気持ちになった。フリーダ関連の本でもジュゼップは登場するが、あまり多くは語られていない。夫ディエゴ・リベラの浮気に対して、次々と男たちと関係を持ったフリーダ。ソ連の革命家レフ・トロツキー、彫刻家イサム・ノグチ・・・浮気相手がすごい。両性愛者でもあったフリーダは、あのジョージア・オキーフとも関係があったと言われている。ほんとうはディエゴが大好きだったと晩年語っているけど、中でもフリーダが熱かったのがジュゼップ。ジョゼップに書いた合計100ページ、25通のラブレターがオークションにかけられたことがあった。

ジョゼップの絵についてもっと知りたくなった。

描かれていることは悲惨だけど、なんだか素敵な話だった。いいアニメーション。
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