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FLEE フリーのおっとっとのレビュー・感想・評価

FLEE フリー(2021年製作の映画)
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アカデミー賞、外国語・アニメーション・ドキュメンタリーという異色の三冠ノミネートを果たした力作!

アフガンはカブールに生まれた主人公は、祖国を追われ、現在はコペンで暮らす同性愛者。(劇中、アフガンでは同性愛者を公的に認めていないため、彼ら彼女らを指す言葉がないという恐ろしい事実を知らされる)

冒頭、「家とはなんだろう?」という問いかけから始まり、
愛する者が待つ場所
動かずにあり続ける場所
逃げる必要のない場所…
などが挙げられる。彼らはたったそれだけを望んでいたのに、世界がそれを許さなかった。

監督のQA付きで鑑賞。(プロデューサーのリズ・アーメッドも隣に🥰)
「あなたを見て驚きました。劇中の貴方はブロンドだったので」という客からの声に「ブロンドには憧れがありまして」とはにかみながら答える様子が非常に本作の監督であることに、合点がいったといいますか。
今作の製作に17年かかったと言って、何がそんなにかかったのかという問いに監督は
ずーっと取り組んでいたわけでは正直に漏らし、主人公の彼に映画を作りたいことについて、3度問うたと言っていて、1度目は「語れない」、2度目は「語る準備が出来てない」、そして3度目に「時間をかけてなら」といって承諾してもらったそうな。

壮絶な人生であり、この圧倒的理不尽を前に、この映画を否定することは誰もできやしない。しかしそれは確かに作品評価そのものなのだろうか。しかし映画が顔も知らぬ誰かに容易く情報を伝える手段と考えるならばこれ以上機能しているものなどない。
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