『Flee(逃げる)』
アカデミー賞3部門ノミネート(国際映画、長編アニメ、ドキュメンタリー)。
アフガニスタンからデンマークに難民として移り住んだアミンが誰にも話さず抱えてきた過去を、友人である監督にゆっくり時間をかけて語っていったものをアニメーション(+一部資料映像)で綴ったユニークなドキュメンタリー。
※個人保護のため個人名や地名など一部は変更されている。
1984年、アフガニスタン・カブールに母、兄、二人の姉と暮らすアミン。父は当時の政府に脅威とみなされ逮捕され3ヶ月後に行方不明となっていた。
その後、一家は内戦を逃れモスクワへ。
街へ出れば悪質な警察に捕まる可能性があり、ほとんど家から出れずの生活。
早期にスウェーデンに逃亡していた長兄の工面したお金で、まず二人の姉が人身売買業者による過酷なルートでなんとかスウェーデンへ亡命。
追って密輸業者の舟で脱出を図ろうとしたアミン、兄、母だが途中で捕まり、エストニアでの軟禁生活から3人は再びモスクワへ。
そこから、兄の計らいでアミン一人がデンマークへ亡命する。。。
幼い頃から男性に好意を寄せ、現在はゲイ・パートナーと暮らすアミンの、セクシュアリティに関する過去も描かれますが、アフガニスタンでは、ホモセクシュアルを意味する単語もない(存在を認められていない)というのに驚かされます。
幼い頃から、逃げ続けるのが当たり前のような過酷な運命を生きてきたアミン。
心理カウンセラーの部屋にあるようなベッドに横たわり、過去を語る姿も印象的で、アニメーション・ドキュメンタリーという手法、いいですね。