この映画には星を付けられないと思った。アフガンについても難民についても、全く知識のない僕は、ただこの映画で描写されたことを受け入れるしかないと思った。
「家族は僕以外死んでしまった」という主人公のセリフを、最初は全く疑うことなく受け入れたが、これは難民として受け入れられるための嘘であることが後半に明かされた。
そう、無意識のうちに「難民なのだから家族はいなくなってても不思議ではない」とか、むしろ「家族がいない少年だから助けなければいけない」という選民思想のような上から目線がはたらいていたことに気づいた。
難民は可哀想だから助けるのではなくて、同じ人間として命を脅かされている状況をどうにかするために受け入れるものであると再度思わされた。
先日観た『マイスモールランド』では、日本に来ているクルド難民の現状を痛感させられたが、日本も「避難民」と「難民」は異なるというような詭弁を廃し、きちんと人権を保証して受け入れる必要があると考える。
実質的な移民政策となっている技能実習生も、不当な労働環境に追いやられている状況が多いと聞く。
「自分には関係ない」というような考えは、いずれ自分の首を絞めることになると思い、今日この作品を観た。