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FLEE フリーのtoのレビュー・感想・評価

FLEE フリー(2021年製作の映画)
5.0
ポン・ジュノが良いと言っていたので見た。
アフガニスタンの紛争で徴兵や危ない目にあう状況から、ロシアに逃げて、ソ連崩壊後のロシアは腐敗していて、さらに悲惨な密入国を繰り返し、ひとりデンマークへ逃れたアミン。彼の実話を、友人である監督が聞き、アニメーションにしたもの。

絵のタッチも好みではないし、つらい話だろうし、ポンが薦めなければみなかった映画。
よかった。知らなかった。a〜haの「TAKE ON ME」を聞いて育ったなんて、同時代の同じ地球人じゃん。祖国にも、亡命先にも安住できなかった人生。知らなかった。

初日の新宿バルト9では、上映後にデンマークのヨナス・ポヘール・ラスムセン監督によるオンラインのティーチインがあった。監督自身、何代か前の祖先が難民だったそう。ただ本作は監督自身ではなく、アミンの来し方のストーリーなので、作中に出てくる監督は金髪碧眼で実際とは風貌を変え、他の登場人物とのコントラストを出したそう。

作中に出てくるキャスト?スタッフ?についても、レプリゼンテーションのある?方だそうで、その意味を知らなかったので検索してみたら、いまは、多様性を尊重するといった意味で使われていることも多い言葉だそう。

主人公アミンは、徴兵されれば死を意味するアフガニスタンから逃れるのに、ウクライナ国際空港に乗り、モスクワに入った。

今日、2022年6月10日の「日本経済新聞」夕刊の映画評の、映画ジャーナリスト林瑞絵氏の文章がよかった。文末がフッと終わってかっこよかった。映画を見たあとにまたじっくり読もうと思ってとっておいた。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD020BS0S2A600C2000000/

映画館でじっくり見ることを勧めたい。
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