このレビューはネタバレを含みます
個人的に衝撃的な作品でした。
アニメ作品でありながら、ドキュメンタリー作品。
アニメの絵のタッチだからこそ、90分観ることができましたが、実写だったら、あまりに過酷な過去の体験に、見続けることができなかったかもしれません。
アフガニスタンの難民の話。
ロシアに行っても、腐敗した警察に怯え、
なんとかデンマークに行っても、不法難民がバレることを恐れて、精神的にも過去から逃げ続ける日々。
ところどころ実写映像で思い出させる本物だという出来事。
今、ウクライナでも同じようなことが起きていると思うと、とても心が痛いです。
家族のことも描かれていて、イカれた人生において、唯一救いの家族。その家族もバラバラになりますが、お互い助け合う仲。その家族は支えでもありつつ、みんな苦しみ、お互いを慮り、自分の自由な人生は送れない葛藤も抱えていると感じました。
最後、アミンが自分の人生を大事にする一歩を踏み出せていた気配を感じられたことは救いでした。でも彼はその後も家族のことが頭によぎり、心に引っかかる日々を送るのではないでしょうか。
何かを背負う人生は大変だし、それは他人に本当に見えません。僕らはもっとみんな心に抱えている思い、苦しみを想像して生きることができるのではないかと思います。
