海老シュウマイ

名も無き世界のエンドロールの海老シュウマイのネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

すみません原作未読ですが、
原作でも時系列が行ったり来たりする作りらしく、それを映像化によって伝わりやすくなっているのは良かったと思います。また、田舎の夕焼け風景や海辺のシーンも印象的でした。

ミスリード目的の犬が轢かれているカットも、3人は学校の制服姿で、その後の「事故」とは無関係というテイを保てていたり、(ミスリードが成功しているかはともかく)映像化のメリットを存分に味わえました。

ただ、告白シーンで「遅かったのかな」ってセリフ言わせてから、過去分の真剣佑のシーンを入れたり、事故のシーンで車道が赤信号だったことを強調したり、少し説明過多な演出が気になりました。

しかし、全体として「いい映画観たなー」とならないのは、多くの方が書いているように、もともとのお話に無理がある気がしてしまいます。

特に後半のお話には全く乗れなくて、
岩ちゃんをなぜあんなに冷徹なキャラクターにする必要があったのか謎だし、最後にもやっぱり爆散させてしまって、
物語のテーマである「命の選別」とか「命の価値」みたいなものが彼らの原動力であり正義だったのに、ニートや犯罪者の命は消えてもいいの?ニート母なんてひどい巻き込まれ方だけど…
というノイズが大きかったです。

月並みな言い方ですが、ヨッチのことはキダとマコトの記憶に刻まれていれば十分に幸せで、それ以上何もいらなくて、あんな形で記憶に残ってしまうヨッチは幸せなの?って気がしてしまいます。

なんだか、
冷徹な殺し屋キャラに変貌したらカッコ良くない?最後、爆散したらエモくない?みたいな安易さを感じてしまいます。だからこそ、映画のラストから半年後、みたいなスピンオフも作れてしまったりするのかなと残念です。

マコトはヨッチを愛しているからこそ、大事だからこそ、一生記憶に留めておくために生きて続けていくんじゃないかと思ったりします。

私の中では「難病で亡くなったら泣くよね系」と同じ箱に雑に投げ入れて終わり、になってしまうのは残念でした。