IFI French Film Festival にて。
ドニ・ポダリデス、ブリュノ・ポダリデス兄弟が手掛けて共演もしているコメディ。
失業中のアレクサンドルが子供を育てながら経済的に自立できると妻に証明するために職を得るが、そこで働く条件の1つは子供がいないことだった。
そもそも妻はどうしてるのか?という疑問が湧くのだけど、妻不在にも理由あり。その2ヶ月の間になんとか不甲斐ない父/夫から脱却しなければならないらしい。
中年の悲哀コメディのような序盤から徐々に話は子を持ちながら働くこと、勤労の意義、スタートアップ企業や現代のテクノロジーの恩恵と皮肉を交えたコメディになっていった。
セヴェリンは仕事で成功しているが人間らしさに欠け女性の地位向上を逆手に取ったようなキャラクター、いっぽうアレクサンドルの妻はまさにかつて男性が活躍していた世界で働いている。
多様性、働き方のバリエーション、男女のステレオタイプ、女性の地位向上、古い男性的価値観など良い点悪い点をキャラクター通して皮肉を交えてストーリーに乗せているのは上手いと思う。
ドニ・ポダリデスのすっとぼけたコテコテのコメディ演技もあいまってわりと見やすい風刺コメディだった。