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セヴェンヌ山脈のアントワネットのhoshikazukanjoのレビュー・感想・評価

5.0
こちらの監督、ロメールの『緑の光線』を観て映画監督を志すようになったと聞いて、同志として期待大で観た。テイストはロメールとは全然違って、ディズニーチャンネルのヒロイン級(カントリーな雰囲気も相まってマイリー・サイラスを思い出す)にドタバタ騒がしい笑。まあでもマリー・リヴィエールのあの素晴らしい出し方に、この監督はたしかに『緑の光線』の大ファンだと確信した笑。不倫相手の男性に偶然を装って会うためこんな山奥まで来た(全くもって山にくるような格好ではない)アントワネットに対して、やっぱり冷ややかな視線を向ける人もいるわけだけど、マリー・リヴィエールは応援してくれるの、優しすぎるでしょうよ…。しかもその登場シーンは木漏れ日が美しいテラス席なの。このマリー・リヴィエールが神々しくてこれだけで泣ける……。私が『緑の光線』のマリー・リヴィエールに心を支えられたように、アントワネットもまた劇中内で彼女に救われてるのが重なって、なんだか夢のようなシーンだったな…。

純粋にコメディ映画としてもすごく面白い。ロバのパトリックに愛着湧きすぎて、私も同じ体験したい、色々なこと話してみたい。アントワネットの服装がだんだんとセクシーなものではなくしっかり山向きになっていったのも、向き合うものが愛人ではなくパトリックになっていったように感じられて(単純に旅の中で愛人のことがどうでもよくなったからセクシーである必要がなくなっただけだろうけど)良かったね。つまりこれはロバ映画!!!!!
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