勝手に叶順子祭
本作を持って叶順子は引退されたという。非常に惜しい。
伊勢湾台風から2年という設定。
都市部のネオンは危ない!落っこちてきたらケガじゃすまんぞ!が持論の台風記者宇津井健。相変わらず熱盛。
「風速60mを超える台風が来ないと誰が保証しますか!」
銀座のネオン建設を舞台に丸高組と遠藤組の仁義なき戦い。遠藤組の社長菅井一郎と田宮二郎と高松英郎が悪い顔。高松英郎のヒットマンっぷりはさながら悪魔のキューピー。ジャケットが田宮二郎と叶順子なのが気に入らん!
死者が出て裏切り者が出て、職人達の汗と涙の結晶であるネオンが度重なる妨害工作でグチャグチャになって、物語も終盤にさしかかる頃、大型台風がやってくる。正直この頃には映画のタイトルすっかり忘れてたわ。
黒澤明は『羅生門』で雨を黒に着色したという有名なエピソードがあるが、同様にモノクロ画面には大勢の黒カッパが映える。雨や濁流も、ミニチュアとわかってても迫力十分。
菅原謙次がいつもと少し違う役で出てて、これまたいい感じ。
設定と登場人物がウリ二つな1959年『暴風圏』とは何か関係があるのかしら。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
というわけで2018年の「映画は大映」100本目。今年は災害が多かったけど、来年はいい年でありますように。