スパイの妻のkamのレビュー・感想・評価

黒沢清の劇画的とまで言えるような、絵づくりが楽しい。その人物の心情を、一つ一つのシーンで見せてくれる。

聡子が優作の大望の一端をかつぎ、運命を共にすることになった事への喜びをしってしまった聡子は、それまでの平穏で幸福な生活を求めていた聡子には戻れない。聡子には正直共感できないが、あのフィルムを見て、聡子の大望にもなったのか。。。もしそうでなければ、他人の夢を自分の夢にすり替えてしまった、愚かでかわいそうな人に見えてくる。