スパイの妻のkottanのレビュー・感想・評価

戦時中の暗い世相にはびこる空気感や陰鬱さが画面から伝わる。おぞましい事実を隠して気鬱になる気持ちとリンクするように差し掛かる影、襲いかかる暗闇とそこに差し込む光。美しい構図と美術。演者の秀逸な演技。なんて贅沢な映画だろう。
テーマが731部隊なのがまた反吐が出そうに嫌だった。それを知ってしまったら、誰もがとても平静ではいられないだろう。
しかし、一度とはいえ自分を裏切った人間を普通は信用出来ないだろう。なんで自分は違うと思えるのか。人間的には聡子に全く共感出来なかった。

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