てれ

スネーキーモンキー/蛇拳のてれのレビュー・感想・評価

スネーキーモンキー/蛇拳(1976年製作の映画)
4.3
わぁこれ凄く好きなタイプの映画だ。
限りなく友愛に近い形で結ばれた師弟関係が本当に尊い。そして何よりもジャッキー・チェンの演じる、あどけなさと忍耐強さを持ち合わせた主人公の青年・簡福にずっと惹かれっぱなしだった。

前半の簡福が道場の稽古台で虐めに遭っているのがあまりに不憫で胸が痛くなる……幼さが残る無邪気な顔と悲痛な眼差しにいっそう情をそそられる。それでも襲われていた老人の白長天を非力ながらも助け、素直に優しく接する好青年ぶりがとても良かった。
白長天も蛇拳の使い手だからこそ敵から追われる身なのに、強くなりたいと願う簡福にそれを伝授するところはグッと来る。
そんな彼らの信頼感滲み出る触れ合いは、まるでオアシスのようでとても心が安らいだ。特に簡福が白長天に見せる心を許した笑顔は、可愛いを通り越してもう愛くるしいよ!
彼が蛇拳の厳しい修行に耐えてだんだん強くなっていく姿には感慨深いものがある。
また、修行する時に流れる音楽は簡福の内に秘めた情熱を表しているようでマッチしていたと思う。

とまあ、ひたすら師弟愛に注目してしまう。もちろん格闘シーンも印象的で蛇拳を抹殺しようともくろむ敵役のウォン・チェンリー氏の動きは華麗だった。

オープニングも素晴らしくて、蛇拳を炸裂させるジャッキーは鋭い魅力を放ち、しなやかかつ大胆な立ち回りの美しさが伝わってくる。

この映画でジャッキー・チェンはアクションだけでなく、喜怒哀楽の生き生きとした演技もこなすということが分かり、俳優としてさらに好きになった。
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