寝るのだいじ

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースの寝るのだいじのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「スパイダーマン」作品の皆が辿ってきた悲しく辛い過去を、歩まずに別の展開に変えてやると奮起するスパイダーマン:マイルス頑張る話。
スパイダーマンの同士がぶつかり合うのが悲しかった。

相変わらず映像美がすごい!光のバランス、配色で魅せる感情、遠近感、臨場感!クリエイターすごい!!
(この評価は映像だけでつけていて、正直ストーリーは微妙なので点数にカウントしていません。)

ヤバい研究者が発明したマルチバースを行き来できてしまう装置で、マイルスのいる世界に別世界のクモが入ってしまい、噛んだことでスパイダーマンになったマイルス。
本来マイルスの世界にはスパイダーマンはいないはずであることが発覚。前作からこの事実には気付いていた前作の仲間だったが、心が痛く伝えられなかった。
そんな異常な存在であるマイルスを、各世界のスパイダーマン達が追いかけ消そうとし、全ての世界を元通りにしようとする。
しかしどの世界でも各スパイダーマンの歩むべき「大いなる使命を全うしてもなお生まれる大切な人の死」を必ずたどらなければならないとするボスとスパイダーマン達、色んな未来があっていいはずと考えるマイルス。
そんなマイルスを応援するかつての仲間+αでバトルになりそうな、次作へと繋がる展開。

スパイダーマン基地で大勢のスパイダーマンがマイルスを追っている時に、「親の愛に泣く男!スパイダーマン!」とか決め台詞吐く日本の東映スパイダーマンがいた!台詞の途中で他の人に揉みくちゃにされていたけど。
日本のスパイダーマンもmarbleの仲間として認知され、台詞もあるの嬉しかったな~

ある意味本来いるべき世界のマイルスは、亡き叔父が生きていて、父が亡くなっており、マイルスがゴブリンJr.(本作での名前忘れた)のポジションだった。
つまり父を殺して叔父に引き取られる世界になっており、サム・ライミ版で言うところのベン叔父さん家族とも、ゴブリン親子とも違う、謎の関係性があった。

…その時点で辿るべき軌道と未来が変わってるな?

なんであそこまでボスはマイルスを消そうとするのかが、いまいちわからない。それはそれで成り立ってる世界だったのに?ある意味本来の形に戻したいのは理解するが、もう良くない?

マイルスの「未来を変える!」という強い意思は素敵だが、マルチバースの集合でいて展開変えちゃうのは、これまでのスパイダーマン作品の意味がなくなってしまうような気がして寂しくなった。

スパイダーマン作品の良さは、「どんなに力があっても全てを守りきることはできない」、ベン叔父さんの「大きな力には大きな責任が伴う」にあると私は考える。つまり大きな悲しみがあるからこそ、他人を助ける寄り添うの起爆剤にもなっていて、そこが人間味ある超人というところだと思う。

経験以上の知識も感情なんて実際は無いから、悲しみも何も経験したくないマイルスは子供らしいと言えば子供、そういうことをボスは言っているのかな。そしてそのマイルスの浅はかながらもバイタリティ溢れる行動も子供らしさ故に希望を与えてくれる、脚本家は伝えているのかな。
そういう意味では確かに子供の爆発力に励まされることもあるので、まあいいのかな。