メッチ

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースのメッチのレビュー・感想・評価

3.6
"運命"とは何か?スパイダーマンとしての"定"と親からの"柵"が交錯しているよう。もはや全てから抗っている。

本作は何というか、前作の「スパイダーマン:スパイダーバース」の"運命を受け入れろ"というキャッチコピー。でも今作は、それに真っ向から抗う作品でした。MCU作品の「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」と考え方が似ていると言えば良いのか?というよりも、「スパイダーマンといえばお決まりの展開」を無くそう。なんなら、抗おうという意気込みは伝わりました。
ただし、その"運命"についてこの作品は、意気込みが伝わりましたが、解答が出ていない。なので、解答が出るまで待つしかありません。

しかし、それよりも子にとって親はどうあるべきかをかなり問われていた作品でした。
昨今、映画に限らず、アニメや漫画でも"毒親"というテーマを扱ったものが多い傾向。今作は、直接的な"毒親"をダイレクトにテーマにはしていませんが、毒親でもそうで無い親でも親ってどうあるべきか…?そういった印象が強かった気がします。もちろんその模範回答は無いし、近いものがあっても参考程度。その子に合ったベストな親の振る舞いの解答はありません。
親は子供よりも人生を長く生きているけど、どうやって接するのが正解かなんて知りません。だから時には間違ったことも言ってしまえば、誤った決断をしてしまう。親も子も同じ人間。

それは、時間かけて探していくしか無いんですよね。この映画のように、答えが出てくるまで。
メッチ

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