麻生さくや

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースの麻生さくやのレビュー・感想・評価

4.8
前作から好きだった「スパイダーバース」の続編「アクロス・ザ・スパイダーバース」を見てきました。
前作に引き続き今回も4DXで存分に楽しんできました♪

 主人公は15歳にしてスパイダーマンになってしまったマイルズ・モラレス。
もともとのスパイダーマン、ピーター・パーカーがヴィランに殺されてしまいスパイダーマンを継ぐことに…
前作ではヴィランの作り出したマルチバースをつなぐ装置で異世界のスパイダーマンたちがやってきて、彼らの助けを借りながらヴィランを倒し、装置を破壊することに成功してヒーローになることを決意したのだが私生活との軋轢は大きくなるばかり。
しかもマルチバースをつなぐ穴が不安定に残ってしまっていたらしく、元の世界に戻ったはずのスパイダー・グウェンが再び姿を現したのだがそれには原因があり…

…というお話。
とりあえず前作を見ておくことを強くおすすめします。
そして前作で好評だったアニメーションと音楽がさらにパワーアップ。
ど派手で楽しかったけど、個人的には前作と同程度に抑えたほうがよかったんじゃないかな…と。
作品全体のバランスとして派手になりすぎてる気がしました。
肌とか髪の質感もめっちゃリアルに進化してたけど、洋服の質感がそれに追いついてなくてはめ込み合成みたいな感じになっちゃってたし、派手さよりもバランスに気を使ってほしかったな。
 ストーリー的には来年公開予定の「ビヨンド・ザ・スパイダーバース」に続くことが事前に公表されていたから覚悟はしていたものの、完全に中途半端なところで「つづく」…と。
事前に前後編に分ける予定だったなら、前編だけでもなんらかの区切りをつて単品でも楽しめる映画にすべきだと思うんだけど、特に誰かを倒すわけでもなく問題も抱えたまま「来年につづく」
マーベル映画の一番ダメなところが出ちゃいましたね……

 ただ、それでも描かれている内容は文句なく大好きでした。
スパイダーマンシリーズの一番好きなところは、人として未熟な高校生が真剣にヒーローをやっていくことへの葛藤なので、そこがしっかり描かれていたから結果的にはさっき言った大きな欠点を踏まえても大満足でした。
ヒーロー活動のために疎かになる学校生活、ヒーローであることを家族に隠している後ろめたさと不安、子供の嘘に気づいていてどうしたらいいのかわからない両親の苦悩…
そんな感情が丁寧に描かれた良作だったと思います。
前作が好きで、中途半端に終ってても来年まで待てる人には文句なくオススメだと思います!
麻生さくや

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