がらがら

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースのがらがらのレビュー・感想・評価

4.5
斬新なアニメーション表現で度肝を抜いてきた前作の衝撃を超えてくる、最強の続編。

IMAXで鑑賞。IMAX画角というわけじゃなかったからドルビーシネマの方が良かったかも。

映画本編はとにかく最高。前作よりも更に攻めまくったアニメーション表現には、アニメの可能性がまだまだあることを再認識させられるし、マルチバースを絡めてスパイダーマンの運命にあらがうストーリーというのもワクワクする。激しいアクションだけでなく、親子の繊細なドラマも楽しめる。

唯一の欠点は前後編の前編だから話が途中で終わるということだけ。終わり方は最高なんだけど、劇場では続編あることを知らなかった人が結構驚いてた。

前作でも好きだったグウェンパートから始まるのも良い。しかも冒頭から前作同様の画風が違うキャラ同士のアクションをいきなり堪能できる。この時点で既に前作よりも凄いことになっていて、出し惜しみの無さが素晴らしい。

主人公のマイルズは前作ではスパイダーマンになりたてだったから、危なっかしさや幼さが見えたけど、今作では前作からの成長が随所に感じられるシーンが多くて更に好きになった。ヒーロー活動にも慣れて、軽口を叩きながらアクションする余裕が生まれているし(スパイダーマンはこうでなくちゃ)、追い詰められているように見えながらも相手を出し抜く狡猾さを備えてるのも良い。

特にラストの衝撃的シーンでは、最初は狼狽しながらも、すぐに冷静さを取り戻し対応しようとする所で終わるのがクール。狼狽・怒り・決意みたいな分かりやすい表情じゃなくて、冷静な表情っていうのがまたイイ!

そしてなにより最高なのがグウェンのラスト。冒頭で「自分に合うバンドが無い」ことを苦悩していたグウェンの選択に泣きながら、とうとう登場するあいつらにブチ上がる。今作最高のシーンになっていて続編への期待しかない。

マルチバース展開だけじゃなく、避けられない運命やありえた可能性の提示とか、同日公開の『ザ・フラッシュ』に共通する部分が多かった。 
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