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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースのchiのレビュー・感想・評価

3.5
映画は面白かったが、一つ気になったのが、
グウェンの部屋にあった、トランスジェンダーフラッグ。🩵🤍🩷
"protect trans kids"と書かれている。

トランスキッズを守れ、とのことだが、これが何を意味するのか解説したい。

トランスジェンダーとは、身体性別と自身が思う性別に乖離がある人達のことを指す。

欧米では、強固なジェンダー規範や、同性愛嫌悪が強く、
そこに性自認という概念が加わり、
"ピンク、スカート、おままごとが好きなら女の子自認"
"青、ズボン、サッカーが好きなら男の子自認"
などといった安易かつ非科学的な理由で、子供に性自認という思想を吹き込む人がいる。

また、子供自身が、自身の性に疑問を感じ、性転換を望む場合もある。

しかし、思春期は誰しもが自分のアイデンティティに揺らぎを感じるもので、
第二次性徴において自分の体が男/女らしくなることに戸惑いを感じるのは普通である。

そこにSNSを通じて、あなたは自分のなりたい性別になれる。と洗脳してきたのが、トランスジェンダー思想である。

自身をトランスジェンダーだと思った子供たちが、まだ身体も心も成長してない時期から、ホルモン治療を受け、乳房除去、陰茎形成手術などを受ける。
(性別は性転換手術をしても、染色体やホルモンが違うので、変えることは生物学的に不可能なのだが。)

もちろん良識のある親や、周りの大人、政府は反対する。
何故なら治療を受けると、正常な発育は阻害され、健康被害が生じるからだ。
大人になって自分はやはりトランスジェンダーではなかった、と気づき元の身体に戻ろうとしてももはや戻ることはできない。

そもそも自分をトランスジェンダーだと思い込む人達は、
過去に虐待や性被害にあっていたり、
発達障害、精神疾患があったりすることが多いそうだ。

自分自身のアイデンティティが揺らぐ原因は他にあるのに、
性別は変えられるというバカげた思想を子供達に植え付けるのではなく、
根本的な問題に向き合うことが、真に子供にとって為になると思うのだけれど…。

欧米では、こういった思想がLGBTQ界隈やwokeな人たちによって支持され、
科学的で良識のある大人を分からずやの敵とみなし、
それらの人々からトランスジェンダーの子供を保護し、子供の性転換を後押しするという意味で"protect trans kids"というスローガンが掲げられているのだ。


映画を観ていると、
グウェンのアイデンティティを親が分かってくれないという状況が、
トランスジェンダー思想と親和性が高いなーと感じた。

親が自分のことを分かってくれないように感じるのは、子供にとって辛く、歯がゆいものであるが、
それが子供を守る気持ちゆえであることをいつか理解してほしい。
何でもかんでも子供の自己決定権を後押ししてくれる赤の他人は一見親切に見えても、
長期的にはその子供のことを考えていない。


映画の登場人物の多様さから見ても、
恐らく、製作陣はwokeな人々が多いのだろう。

多様性が進むのは喜ばしいことだが、
多様性は"無秩序"や"何でもあり"ではない。

トランジェンダーフラッグを入れ込んだ製作陣には、今一度、子供を守るとはどういうことか考えてほしいところだ。
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