じゅ

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースのじゅのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

チェンさん!!晩上好!

グウェンがベンをどついて「時計」って言われてたあれをひょこってやってぐしゃってやるとこかっこいい。


ある宇宙、ピーター亡き世界。グウェンは警察署長である父への重大な隠し事を持つ。彼女は蜘蛛に噛まれて超人的な力を得た"スパイダー・ウーマン"、ピーター殺しの容疑者として警察に追われる謎の人物の正体だった。突如飛来した鳥人間コンテストもびっくりなギリシャの鳥人。グウェンとの戦闘の最中に現れた2人のスパイダーマン。ミゲルとジェシカはつまるところ、マルチバースの秩序を正すため、宇宙間を移動する者を捕えて元の場所に戻す役割を担う。(アース19999ではノーウェイホームな例の件で苦労したそう。)共闘によりヴィランを捕獲したが、糸を切らしたグウェンに署長が銃を向ける。意を結してついにグウェンの素顔を晒したが、葛藤の末に父が選んだ答えは逮捕だった。そんなグウェンをミゲルとジェシカは彼の宇宙へ連れて行った。グウェンは彼らの一員になった。
マイルスはスパイダーマンになって1年と4ヶ月が経つ。両親に打ち明けられぬ孤独を感じながらも、量子論を学んで再びグウェンと再開する手段を見つけるため、プリンストン大学への進学を目指す。そんな時に現れた"スポット"なるヴィラン。全身が真っ白で顔がなく、別々の場所を繋ぐ穴を操る男は、こんな姿になったのはマイルスのせいだと言う。マイルスに攻撃を仕掛けたスポットは、自らの穴に落ちて姿を消した。落ちた先の空間はあらゆる宇宙へ繋がっていた。自らの力を増強するため、強大なエネルギーを放出する加速器を探し始める。スポットを追って来たグウェンと再会したマイルスは、宇宙間を行き来する彼女の後を追った。行き着いた先で、パヴィトルとホービーの2人のスパイダーマンも加勢するが、スポットは目的を果たしてしまう。施設が崩壊して街が大惨事に陥るところを、マイルスら4人のスパイダーマンが食い止める。この宇宙の署長はマイルスの活躍により救われた。そこへジェシカらが駆けつけ、マイルスとグウェン、ホービーはミゲルが待つ"スパイダー・ソサエティ"へ連れて行かれる。
ミゲルが言うことには、それぞれの宇宙にスパイダーマンがいたりいなかったりしているが、スパイダーマンが皆共通して通る出来事がある。つまりは大切な誰かを失うというそれらの出来事を、彼らは"カノン事象"と呼んだ。これを阻止すれば世界に綻びが生じるが、マイルスが署長を助けたことはまさにカノン事象を阻止することだった。そして、マイルスの宇宙のカノン事象、署長になる父の死は2日後に訪れるという。マイルスは自分の宇宙へ帰るべく走り出した。逃走の最中、そもそも別の宇宙の蜘蛛に噛まれたマイルスこそが危険な因子であったと聞かされる。たとえそうであれ自分の運命は自ら決めると、マイルスは"ゴーホーム・マシン"をハックしてミゲルらの追跡を振り切った。マイルスを擁護したグウェンはミゲルに追放され、元の宇宙へ飛ばされた。
数ヶ月ぶりに父と会ったグウェン。正しいことをしたかったこと、今また1人大切な人を失おうとしていること、全て聞いた父はその場で辞職を決め、娘と和解した。父は謎の男から預かった物をグウェンに渡した。それはホービーからの、宇宙間を移動する海賊版装置。一方、マイルスが飛んでいった先の宇宙は、彼の故郷ではなく彼を噛んだ蜘蛛の故郷だった。そこはスパイダーマンが誕生しなかった世界で、アーロン叔父さんがいるが、しかし警察署長であった父は既に亡かった。アーロンとの用事に連れ出されたマイルスは、何者かに捕えられる。目を覚ますと、そこにあったのはアーロンとプラウラーの姿。プラウラーのマスクの下には、マイルスの顔があった。その頃、グウェンはマイルスを連れ戻すため、かつてマルチバースを守るため共に戦った仲間を集めていた。


スピード感すげえ。台詞もアクションも。
パヴィトルの宇宙のあの街はムンバッタンと言ったっけか。ムンバイ+たしかマンハッタンってかんじの命名だったと思うけど。あそこでびゅんびゅんやってた辺りの場面とか、動きが目まぐるしい上に饒舌なやつらが矢継ぎ早に喋りまくるからほとんど台詞追ってないやw
追いかけっこすご。てかあの量キャラデザしたのすご。前作からだけど、別の世界のスパイダーマンが集まるなら画風違ってていいって気づいた人素敵。アニメならではよな。

パヴィトルかっこよかったわあ。動くなあ。もっかい出て来てくんないだろうか。
もっかい出てくるとしたら、カノン事象とやらを既に捻じ曲げちゃった宇宙のスパイダーマンである以上はマイルスの味方だろ。たぶん。


グウェンが「他の宇宙でグウェンはスパイダーマンに恋をしてどれも悪い結末になる」みたいなことを語ってるのは予告で見せられたことあったから、グウェンか世界かみたいな展開になると思ってた。父ちゃんか世界かだったか。
まあでも、グウェンがそう言った以上はその台詞を受けたような展開にも今後なりうるのかな。あるいはマイルスが言った「何にでも初めてはある」みたいな台詞の通り初めてのパターンを作るんだろうか。

父ちゃんどうなるだろう。簡単に想像する限り、身を挺して子供を助けようとした父ちゃんを助けた上でスポットをぶちのめすけど、そしたらなんか宇宙が崩れ出して次元の裂け目みたいな大穴が出現して、諸々事情を聞いた父ちゃん(めっちゃ物分かりいいモード)がじゃあ私がいなくなれば元に戻るのだろう的なこと言って、マイルスに感動的な遺言を言い残して裂け目に落ちてくんかな。
まあどうあれ絵が良けりゃいいだろ。


ミゲルは別の宇宙の自分に成り代わってみたらどえらいことになってしまったんだって。その宇宙では自分は家庭を持って幸せそうにしてて、その宇宙の自分が殺されたのをいいことに夫であり父である立ち位置をもらったら、なんやらよくわからんけどその宇宙がバグって消滅しちゃった的な。
だから定められた運命に干渉するのはまずいんだ、みたいな話はまあわかるけど、カノン事象がどうのとかスパイダーマンは犠牲者を払う運命だっていう話とはまた別な話な気もした。元々スパイダーマンじゃなかったミゲル亡き後の世でミゲルとして生きることって、スパイダーマンが犠牲を払うのを放棄することとは全然違う話じゃないか。
まあでもだからカノン事象とやらを阻止しても世界が崩れないってことにはならんから、万全を期すこと事態は間違ってはいないと思う。

そんな思いとは裏腹に15歳の少年がカノン事象をまた捻じ曲げようとしてるってんなら大人にとってはたまったもんじゃないが、己の秘めた広大な可能性を信じて望んだ何もなかもを掴み取ろうとする少年の姿ってのはやはり熱いのだ。さすがエモーショナルなんとかが高いマイルス少年。
そういう熱さもあったし、世界のために大切な誰かを諦めることを求める全体主義に信念で立ち向かうっていう展開の熱さもあった。そんなわけで反体制主義っぽい思想を持つホービーもめっちゃカッコよく映るのよな。ホービーさんまたいい感じのタイミングで駆けつけてほしい。"時計"捨ててたけどどうせもう何個か海賊版持ってるでしょ。

どうしようもなく訪れる運命にどう対峙するかってことで、同時期に『ザ・フラッシュ』もやってたけど、なんとなく本作終了時点のマイルスは『ザ・フラッシュ』でいう18歳の方のバリーが何回もゾッド戦をやり直すループに入ったところに相当するかなと思ってる。べつにマイルスはループしないだろうけど、心持ちとしては共に変えようの無さそうな運命に抗ってみることを決めた段階かなってかんじ。
マイルスはどんな結論に行き着くだろう。


あとこれは完全に余計なお世話なんだけど、マイルスもうちょい飯食えよな。
じゅ

じゅ