Hiroki

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースのHirokiのレビュー・感想・評価

4.3
2023年も『BLUE GIANT』や『君たちはどう生きるか』などなどたくさんの素晴らしいアニメ映画があった。
ただNo.1はこの作品。

今作もマリオ同様に世界中で大ヒット!
興収は北米で約3.8億ドル(約550億円)を稼いで『Barbie』『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』に次ぐ3位。(そう考えると北米も今年は2,3位がアニメなのか。)
全世界でも約6.9億ドル(約1,000億円)で6位。
ちなみに前作のスパイダーバースが北米約1.9億ドル(約280億円)、全世界約3.8億ドルだったので倍のジャンプアップ!
日本では約11億円とあまり振るわず。
マリオはあんなに売れたのに...

前作スパイダーバースから脚本/製作のフィル・ロード&クリス・ミラーはもちろん続投、監督のピーター・ラムジーは製作総指揮に下がり、ボブ・ペルシケッティとロドニー・ロスマンは降板。
後任は舞台劇&映画『あの夜、マイアミで』でオスカーノミニーのケンプ・パワーズとソニー・ピクチャーズ・アニメーションで長年をアニメを作ってきたホアキン・ドス・サントス&ジャスティン・K・トンプソン。
このシリーズは常に3人体制でディレクションしていて、まー中身を見れば理由はわかりますよね。これは1人じゃ無理だと思う...

まず前提として今作は2部作の1作目、前編です。
2部構成の前半だけで評価することはあまり意味がないとは思っているのだけど、これはあまりにも素晴らしすぎた!

前作ではあんまり思わなかったのだけど、これってゴリゴリのホームドラマなんですよね。
そもそもとしてこの世界のスパイダーマンであるマイルズ・モラレス(CV:シャメイク・ムーア)はラティーノ(アフリカンとプエルトリカンの混血)設定で、ラティーノは家族とか血縁をめちゃくちゃ重んじる事で有名。(ちなみにシャメイク・ムーアはジャマイカン・アメリカンみたいですが。)
なので家族の話、特に今回は親子の話、が中心に来ることは当然といえば当然。
個人的に家族無条件称賛系の映画って好きじゃないんだけど、これはやはり今までの歴史があるから素直にグッときてしまった。
原史ではピーター・パーカーの叔父さんの死があって、グウェン・ステイシーの父親の死があって(ちなみに今作では父が警察を辞めることで死を回避)、そして前作のマイルズ・モラレスの叔父アーロンの死があって。
そして今度はマイルズの父ジェファーソン・デイヴィス(CV:ブライアン・タイリー・ヘンリー)の死の予言と対峙し、その避けられない運命と戦おうと立ち上がる。
そこに他のスパイダーソサエティを裏切る形になってでも集まるのがグウェンや師匠のピーター・B・パーカー(CV:ジェイク・ジョンソン)をはじめ、スパイダーマン・ノワール(CV:ニコラス・ケイジ)、ペニー・パーカー(CV:キミコ・グレン)、スパイダー・ハム(CV:ジョン・ムレイニー)という前作の仲間たち。
これ泣かずにいられます?
ここで後編に続くとかずるすぎるよ。

そしてやっぱり映像が凄い!
情報量多すぎて1回観ただけではあまり理解しきれないけど。配信で確認したらさらに凄さがわかります。
ディメンションが変わると画の種類やタッチが変わるという前作からあったアニメーションでしかできない表現がさらに進化。
もーこれは本当に感動です。
アクションも140分フルスロットル。
これは映画館で観た時にどっと疲れた記憶がある。
私は非常に楽しかったのだけど、人によってはやりすぎだと感じるかも...
マリオもだったけどアニメってそこらへんの塩梅が難しい。なんでもできちゃうぶん。

キャストも軒並み良い!
今回は味方のはずなのにヴィラン的な役回りのミゲル役のオスカー・アイザックのあの冷徹な感じ。まさに!
そして本当のヴィランであるスポットはミゲルのおかげでかなり影が薄いが、ジェイソン・シュワルツマンのボソボソ喋る感じが似合っていた。
スポットは生まれた出自的にも能力的にもスパイダーマンの根幹に関わるやつなので、次で活躍してくれると期待。
個人的に好きだったのはイギリスのスパイダーマン“ホービー”ことスパイダーパンク役のダニエル・カルーヤ。他のスパイダーマンと違って変人でアーナキストなナイスガイ!

音楽も最高なんだけどーこれ以上はながくなるからまた後編で!

後編はSAG-AFTRAのストの影響で公開日が延期になり未定。
もー本当に後編が待ちきれない!

2023-64
Hiroki

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