カタパルトスープレックス

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

3.3
『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018年)の続編。今回は二部構成の前編なので、話は後編に続く。この点をどう評価するかですね。

ボクの個人的な意見ですが、映画は一作品で完結してほしいです。そういう意味で『スターウォーズ/帝国の逆襲』(1980年)も一般的には評価が高いですが、ボクはあまり評価していません。最近のワイルド・スピードやミッション・インポッシブルも同様。

本作のキャラクター造形はすでに前作でハッキリしている。その上でスパイダーマンであることを隠し続けながら、自分を理解してほしいという反目する感情に悩む主人公たちを描いています。その根幹部分が次作に先送りってのはどうかなと。そして、新ヴィランのスポットや新スパイダーマンのミゲルやジェシカの人物像は描ききれていない。彼らの行動の「なぜ?」が中途半端。これも次作に先送りなのか?

アニメーションの描写や技法はとても素晴らしいです。ただ、ボクにとって映画の柱は「テーマ」、「ストーリー」と「キャラクター造形」であって、映画技法はそれがしっかりあった上での加点要素でしかない。だって技法だけだったら音楽のPVでもいいのだから。

なので、本作の評価は次作を観るまでなんとも言えない。単体作品としては中途半端なのでこの評価になります。