悲劇的な喜劇、いや、喜劇的な悲劇という方が正しい。そんな矛盾した言葉でしか形容出来ない程に日本の政治システムは崩壊しかかっているのかもしれない。
報道記者に対して横柄な態度をとり、自らの行いを正当化していた政治家が、「政治とカネ」に纏わる不正を告発されてからみるみる間に萎んでいく様子はなんとも滑稽で呆れてしまった。そんな政治家を選出しているのは紛れもなく参政権を持っている市政の人々というグロテスクな実状。
窓に反射した歪んだ庁舎のカットが印象的だった。物々しい建築物も、最もらしい政治家の言葉も、よくよく目を凝らしてみると中身は空疎でまさに「はりぼて」なのだろう。なによりこの国における民主主義が「はりぼて」化してしまっている。
この映画を観て笑ってしまうのは、主権者である自分を笑っていることと同義であると強く自分に言い聞かせてみる。今からでも遅くない。まだ取り戻せる。諦めてはいけない。