リュグライリヒ

星の王子ニューヨークへ行くのリュグライリヒのネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

設定やあらすじを読み、面白そうだと思ったので視聴してみた。
導入としては、何から何まで世話をされ、結婚相手まで勝手に決められる、といった王子の窮屈さが嫌と言う程感じられ、ニューヨークの旅へと自然と繋がる良いものだったと思う。
アクが強めのコメディ要素は勿論、お金に目が眩んでいたリサのお父さんが、娘を馬鹿にされた瞬間に国王にキレる場面、王妃が息子の幸せを思って「本当に好きな人」のもとへ送り出す場面等、心が動かされるようなシーンも多々あり、終盤まで飽きることなく観続けることが出来た。
しかし、どうにもラストに納得がいかなかった。それは、「リサがなぜ結婚に応じたのか」ということと、「元花嫁候補の女性のその後の描写がない」こと、そして「王家の身分詐称をしたセミがなぜ未だに役職に就いているのか」と言うことである。特に1つ目と2つ目が気になった。
最後の国王と王妃の会話から、国の伝統を変えて、リサとアキームが結婚できるようにしたことが予想される。そしてその直後にリサが花嫁になる訳だが、リサがアキームを振った経緯を考えると、伝統が変わったから結婚に応じた、というのがどうにも腑に落ちなかった。
また、「元花嫁候補の女性」についてであるが、彼女は作中で後の王妃として相応しいように「しつけられた」とされているため、彼女があんな風になってしまったのは、決して彼女の非ではないだろう。王妃となるために半ば洗脳的に育てられ、「自分」を奪われた挙句、その王子に捨てられた彼女の惨めな境遇を考えてしまい、この作品の最後における「全部丸く収まってオールハッピー!」的なノリに強烈な違和感を覚えた。

という訳で、道中は楽しめたが、ラストでかなり気分が落ちてしまい、このような評価となった。

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