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トマトは大嫌いのDDのレビュー・感想・評価

トマトは大嫌い(2020年製作の映画)
3.0
森の映画祭2020で鑑賞。
トマトをこれでもかと病気の彼に繰り出す彼女。その姿はある種狂気めいていて、恐ろしく、映画『ミザリー』を思わせる所があった。最後私の(行為の)お陰で良くなったのよと言う所も、トマトは彼女の愛情のメタファーだったのか。

これだけならただの怖い・痛い女の子の話だが、この作品が良かったのが、これもまたコロナの影響をちゃんと描いている所。
会話の中で「37.5分が4日続かないと検査してもらえない」という後に何の意味も根拠もなかった政府の指針(政府はその指針を一時否定までし、後に削除した)を描いている所や、コロナにかかると味覚が変わるという現象をちゃんと物語の中に落とし込んでいる。
映画はある種、時代を写す鏡でもあると思うので、しっかり記録として作品に残してくれたことに意味があると思う。
今でしか作れない素晴らしい作品だと思います。
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