よし

夏への扉 ―キミのいる未来へ―のよしのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

SF好きには物足りないかもしれないけれど、日本映画の何でもメロドラマにしてしまうこういうところ私は結構好きです。

原作で納得がいかなかった部分も見事に解消していて脚本も好み。
原作は運命論的で個人の感情よりも正しく歴史を繰り返すことに重きが置かれているように感じてしまう。
人間の意思というものを感じなくて、もやもやが残る終わり方だったけど、映画では主人公と璃子とが兄妹のように育った過去や同じ悲しみを共有する繋がりの深さだったりと、二人のお互いへの愛情が分かる。それに二人共『夏への扉』を諦めないからあのエンディングが生きるのだと思う。

原作の淡々とした感じは完全に無くなってしまっているので、そこは少し残念。劇中のサウンドはもう少し抑えたものでも良かったかな、とそれだけ気になりました。

個人的にツボが30年後の白石さん。夏菜さんが小汚い化粧をするくらいで出てくるのかな、と思っていたけど、見た目のインパクト!原作はベル(白石鈴)の扱いがめちゃくちゃ雑で悪役なのに魅力がないのでここまでやってくれて、とても好印象でした😆

清原果耶さんは前から上手いと思っていたけど、17歳と27歳の演じ分けが見事で、27歳のシーンは一瞬と言って良いくらい短いのに、落ち着いた大人の雰囲気が伝わってきて、すごい役者ですよ。本当に。

山崎賢人さんは上手い役者と映画を撮る度にどんどん上手くなる役者だと思うので今回のキャスティングも良かったし、上手く演じようとするのでなく一生懸命に演じているからそこが好きです。
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