Inagaquilala

夏への扉 ―キミのいる未来へ―のInagaquilalaのレビュー・感想・評価

3.6
恋愛ものを得意とする三木孝浩監督が、SF小説の古典でもあるロバート・A・ハインラインの「夏への扉」を、舞台を日本に移し替えて描いた作品。副題でもわかるように30年間の時を経て展開される物語を、破綻なく構築している。ただ、いかんせんバジェットの問題か、原作が持つ空間的広がりをあまり感じられず、ちょっとしたSFミステリーのようにもなっている。物語の整理に追われて、人物の内面に分け入るシーンがやや物足りない感じもした。とはいえ、コミック原作が幅を利かせるなかで、この異国の名作SF小説の映像化に挑戦した試みには拍手を送りたい。
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