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夏への扉 ―キミのいる未来へ―のLEOのレビュー・感想・評価

3.3
プラズマ蓄電池の開発に携わっていた電子工学生の宗一郎は義叔父の和人と秘書の白石に裏切られ、和人の会社の持株も研究成果も全てを奪われてしまいコールドスリープで30年間眠らされてしまう。
そして2025年に30年の眠りから覚めた宗一郎だが、30年の間にマニックス社が破綻し全ての資産を失っていたうえ、璃子も亡くなっているという事を知るが、次第に自分の記憶と現在との不整合に気付き調べ始めるとその原因が過去にタイムスリップした自分にあることを知る。
そこで宗一郎は自分が失った全てと璃子を取り戻すべく、30年前にタイムスリップをするという話。

原作はSF作家ロバート・A・ハインラインが1956年に発表したSF小説。
自分が生まれるだいぶ前に発表された古典SFの名作だけど、中学の時に本大好き仲間から大推薦されて読んでみたら、もの凄く感動した記憶があったんで、凄く期待して観ました。

まずシナリオは、骨組みだけは原作を利用してだいぶアレンジしたって感じ。
原作にはある回り道は一切ないけど、まあ映画の尺に収めるためにはしゃぁないか。

邦画のSFって現実感ありすぎて残念になる事多くて、正直言ってこの映画も序盤は観るのやめようかと思うほどしんどかったけどタイムスリップしてからはしっくり嚙み合ってきたんで無事最後まで観れました。
邦画って金をかけられないからつい現実的な風景を映さざるを得ないんだけど、この映画はそんな部分を出来るだけ映さずに、そして映さなきゃならない部分に関しては上手く時代に合わせて映してるのが上手くいったんだと思う。

しかし山崎賢人は『KINGDOM』みたいなオラオラ系はいいけど、ナイーブな演技は合わないなぁ。
雰囲気はあるんだけど台詞がどうもモチャモチャしてて…。
良かったのは清原果耶と藤木直人かな。
原田泰造も良かったんだけど、何かいつものイメージでどうしても腹に一物あるように見えてしまう。

とにかく今までの日本のSF作品に比べれば巧くまとめられているシナリオだし、そつなく爽やかに仕上がっている作品だと思います。
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