りょう

トランスジェンダーとハリウッド: 過去、現在、そしてのりょうのレビュー・感想・評価

4.0
宇多丸さんがアトロクで話をしているのを聞いて。

とにかく自分はトランスジェンダーやLGBTQに関する知識がなさ過ぎて、正直この映画を見たことが第一歩。多くは語れないけども、知識がないから語らないとか、語るのが怖い、というのもまた違う気がするので、自分が感じたことを書いてみる。

この映画で気づかされたことは、トランスジェンダーの人々に対する偏見、間違った考え方が世の中に何食わぬ顔で刷り込まれていて、しかも作り手が刷り込んだ意識もない場合があって、それが厄介だと感じた。
自分の周りには、トランスジェンダーの人がいないから実感を持って話ができないけど、自分の日々の行動の中でも意識なく傷つけてしまう可能性があるんだと怖くなった。

最後の方に出てくる「ケイティ」さんのトーク番組がとても印象に残った。SNSで叩かれたりする時代に、「適切な会話や相手の気持ちを知るには、言うべきでないことの例が必要」という言葉。当たり障りのない言葉で分かり合えないのなら、こんな風にマスコミの影響力を使って先陣を切ってくれる人がもっともっと必要だと思った。

それとジェン・リチャーズさんの言葉。トランスジェンダーを抱えて生きていく中で、たくさんの嫌なことを言われても、相手の立場を理解して平気でいなきゃならない、周りの人がどうして自分の価値を認めてくれないのか、そういう社会になってほしいと願うと同時に、実は自分の価値を一番認めていないのは自分自身だ、と。

どの性を持って生まれてきても、自分の価値を自分自身がしっかり認められる、そういう世の中になればいいなと思う。まだまだ理解が浅いけども、自分にとってはこの映画が第一歩だから、日々の生活に新たな視点を持っていたい。明日から何か気づけることがあればいいなと思うし、もっと自分自身の価値も、周りの人の価値も認められるようになりたいと思いました。

とにかく出演している方々の言葉の力がすごい。積み重なった経験や深く考えることを続けているからこそ、一つ一つの言葉にとんでもない力が宿っている。
りょう

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