ノラネコの呑んで観るシネマ

十二単衣を着た悪魔のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

十二単衣を着た悪魔(2020年製作の映画)
3.3
ダメ人間の主人公が、「源氏物語」の世界にトリップし、弘徽殿の女御に陰陽師として取り立てられる。
異世界転生もののバリエーションだけど、今ひとつ盛り上がらない。
なぜなら彼が入り込む世界はなにせ小説なので、すでに最後まで起こることが決まってるから。
この種の物語の面白さは、主人公がその世界に無い技術や能力を使って、チャンスを掴み取るあたりだと思うが、本作では主人公が出来ることは、未来を予言する程度しかないんだな。
しかも弘徽殿の女御が出来る女すぎて、予言してもしなくてもあんま関係無いというw
では主人公の成長物語としてはどうかというと、長い時間を異世界で過ごした割には大きく変化しない。
原作由来なのかもしれないが、やたらダイジェスト感が強く、キャラクターが掘り下げられていないんだな。
これでは、誰が撮っても結果は同じだろう。
設定は面白そうなんだけど、ちょっと全体的に中途半端。