しろくま

カラミティのしろくまのレビュー・感想・評価

カラミティ(2020年製作の映画)
3.8
《何よその恰好は?》
〝ズボンなんか履いてどうかしてる。女の子でしょ?女の子はスカートを履くものよ。パパは、いいって言った?そんな格好のあなたといたらママに殺される〟〝その通り、あなたどうかしてる〟

西部開拓時代のアメリカ。過酷な引っ越し旅をしている途中、父親が怪我をしたために家長の役割を任されたマーサ。幌馬車で荷物を運んだり馬にまたがったりするのに動きやすいようにズボンに履き替えていたら〝女の子がズボンを履くなんてどうしている〟って皆から言われて…。

これって〝男の子は男らしく〟とか〝女の子は女らしく〟っていう凝り固まった価値観の押し付けはダメなジェンダー差別案件で、社会全体で改善しなければならない課題だけど、あの当時の人達には、なかなか理解してもらえず…。それでも、自分らしくあることを諦めないで、やるべきことをやっていたら…。

西部開拓時代に女性ガンマンの先駆けとして活躍したカラミティ・ジェーンにスポットを当てた劇場版アニメ。残された資料があまりないのでほぼほぼ作り話だけど、前作〝ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん〟のようにワクワクする冒険ロードムービーに仕上がっていて大満足。

本作も光と影のコントラストは絶妙で、まるでアート作品のように素晴らしい。DVD特典のメイキング映像では〝光を入れたいときは色飽和を使う。時には反対色のコントラストを使う。ドミナントカラーを使って明暗の2つの対比で光を感じさせる〟って説明が難しすぎてチンプンカンプンだけど、デジタル処理で一瞬で光が射すのは興味深い。温かみのある絵柄だったので1枚1枚手描きをしているのかと思ったら、超ハイテク技術で製作されていたんだね。

視聴メモ:2023.11.11/169/図書館DVD
しろくま

しろくま