グラサンビーニー

カラミティのグラサンビーニーのレビュー・感想・評価

カラミティ(2020年製作の映画)
3.5
色彩がカラフル。
輪郭線がないのも新鮮。クレヨンで描いたみたいな絵で個人的にすごく好き。
特に空が印象的で、マーサが馬に乗りながら見上げた星空が特に美しかった。

女性が強く、男性がどことなく頼りない感じで描かれているのはおもしろい。

小さなコミュニティから抜け出して、奮闘する少女の成長譚。
一方で、不遇の扱いを受けてきた女性差別の問題も内包されている。

ズボンを履いて馬に乗るマーサを見て「女はスカートを履くもの。女がそんな格好をして、どうかしてる!」という差別発言を、男ではなく、女性が言うのがなんとも、、、。
他にも、結婚話に浮かれる女たちに「結婚しか頭にないの!?自分たちで生きようって気にはならないの?」とマーサは投げかけるが、女たちはしかめっつらで黙りこくるだけ。当の本人たちが問題を自覚してない。
女性は女性らしく!という押し付けに、反発するマーサは異端児扱い。女性たちですら怪訝な表情でマーサを見ている。問題の根深さを垣間見ました。