変リクセン

未確認生命体 MAX/マックスの変リクセンのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

テレビ局の記者ローリーは、動物虐待の疑いがある研究所に侵入。施設内を撮影する中、MAXと名付けられた犬を発見し、期せずして匿うことになる。しかし実はその犬の正体は、精神に異常をきたしたジャレット博士によって生み出された「モンスター」であった…というストーリー。

アニマルホラーとしてかなり優秀な娯楽作で、ランス・ヘンリクセン好きとしても満足の出来だった。
「クジョー」や「ドッグ」といった他の犬ホラー作品にみられる、人間への傷害・殺害方法=人をかみ殺すという単調な描写を「遺伝子操作された犬」という設定で克服。木に登れる、擬態できる、酸性の尿を出す等のシーンで楽しませてくれた(最もグッときたのは猫の丸呑みシーン)。オチも中盤で出てくる“匂わせ”をしっかり回収できていて好印象だった。

また、刺激性?のスプレーやバーナー等の武器で動物をしつけようとする、犬を実験道具としてしか認識していない、(致し方ないにせよ)状況が悪くなると動物を手放すといった人間の愚かさもしっかり盛り込んでくれていた。

欠点というか気になったのは以下の点。
・ジャレット博士がMAXを生み出した動機が正直よく分からない
・ジュディ研究員がMAXに殺されるシーンがあるが、「MAXなら隙を突いて研究所から飛び出すんじゃないの?」という疑問(ちなみにあのシーンは、単純にMAXが装置を外して逃げたのか、博士が裏切り者を始末させたのか、両方とも解釈できそう)

もう一つ、ローリーはこの騒動の元凶であり、多少なりとも罰を与えられる人間であるはずだが、直接的には車の事故による怪我のみだというのが物足りなかった。
そこはクライマックスでMAXとローリーが和解するシーンを、
①ローリーがMAXに襲われ足or腕をかまれる
②ナイフで反撃を試みようとするローリーだが、いざ刺そうとしたときにMAXの顔を見て、情が湧いてその手を止め、MAXをなでる
③MAXもローリーを許す
という感じで描いてカバーしてほしかったところ。

とはいえ、この手のジャンルとしては十分すぎるぐらいの出来だったので、もし観れる手段があればぜひとも観てほしい。
変リクセン

変リクセン