ホイットモア大統領

未確認生命体 MAX/マックスのホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

4.3
イッヌ・ホラー③
輸入盤Blu-rayにて鑑賞。

ふらっと立ち寄った輸入盤店でビデオ鑑賞以来、約15年ぶりに邂逅。懐かしさのあまり、初恋の人に再会した気分で鑑賞しました。そんな経験ないけど!!!

特ダネが欲しいTVリポーターのローリーは、動物虐待が噂されるEMAX研究所に潜入。そこで「マックス」と名付けられている大型犬のチベタン・マスティフと出会い、逃げ出す際に付いてきたことから引き取ることにする。しかしその正体は、様々な動物のDNAを掛け合わせて誕生したハイブリッド・イッヌだった…

世界の絵画 with ワンちゃんのOP映像から既に悶絶。お気に入りは項垂れる飼い主の脚に顔を乗せ、心配そうに見つめるワンちゃんの絵。ワンワン is Justice.

序盤こそチベタン版『ベートーベン』なんだけど、ネッコは丸呑みするわ、雌犬はレイプするわ、酸のおしっこで消火栓を破壊するわでやりたい放題のレベルが違う!
てか単純にデカい。150cmぐらいはありそう!

終盤は暴走しちゃうけど、こういう系の作品では悪役ポジのランス・ヘンリクセンも割と常識人、というよりむしろ被害者で、明確な悪役を設けていないのがマックスの二面性をより際立たせる気がする。

でも、望んでないのに作られて、危なくなれば廃棄される。そんな都合の良い社会に牙を剥く、マックスの怒りと悲しみに満ちた目が印象的でした。
特に、ローリーの彼氏を付け狙う執拗さが完全にターミネーター。顔も半分焼けてるし、マックスが毒餌に気づいた時のブチ切れ顔と、T-1000の眼力レベルは一緒。

正しく導けば「人類最良の友」だけど、間違った方向に導けば「死の兵器」と化す。
主人公もマックスを里親に出した直後は涙するけど、すぐに新しい犬飼ってるし、里親もマックスをスコップで殴ったり火で脅したり…人間てホントクソ。

監督は『チャイルド・プレイ』初期2作に携わったジョン・ラフィア。この人のバランス感覚って凄いと思う。コメディ・センスは抜群だし、クライマックスにおけるローリーとマックスの関係性とか、エモさしかない。

ということで本作は実写版『ミュウツーの逆襲』です。