Liaozhaipi

シドニアの騎士 あいつむぐほしのLiaozhaipiのネタバレレビュー・内容・結末

1.5

このレビューはネタバレを含みます

いやあ、これは完全に私の好みですが、どうもあの声が苦手ですな…。ちと、恋する少女に感情を寄せていけませんでした。ただ、これがここ15,6年ほど(私がちょうどアニメーションリアルタイム視聴から冷めてった時期ですな)の少女演出の主流なのだから、なんとも言えません。

とはいえ、前回と違い、演出にも映像にもどことなく希望というか前向きなものがより目立っているのは救いがあってこれはこれで良いですかな。

気になるのは、今回も、いわゆる異形をあっさりと受け入れてしまう主人公(たち)の精神的深度が見られないこと。周りがマイノリティに溢れていたらいちいち葛藤していられない、というのは理屈としてはわかりますが、いまいちリアリティを感じません。こういった葛藤の演出は、大衆作品に最も見られないものとはいえ、テーマがテーマだけに、そこは丁寧に魅せてほしかった所ではありますね。
とりわけ、やっぱり「人間になってヨカッタね!」では幕引きとしてあんまりではありませんか!?(落合のみは「半分ガウナになってヨカッタね!」を実践した孤高の人間でございました、が滅ぼされる!)
私は、理解も共生もままならぬはずの「他者」論に、そんな安易なオチをつける一連の作品には、総じて頭を垂れるつもりはないのであります(イデ)。
結局、徹底的に全滅させることしかないのですか?それならそれでいいとして、ではそこにどんな心的葛藤もないのですか??どちらの演出も甘いラブコメに紛れてフワフワと宇宙の彼方へ飛んでいったのでしょうか。

ちなみに、無い物ねだりではありますが、日本SFアニメの宿命である少年少女が戦うことへの必然性について、あまりにも盲目的というか、そこにメタ的に挑戦する気概はこの作品にも見られません。
主人公の即エース化にも(遺伝的事由が存在するとは言え)やはり納得のいかない部分は多く、これもこれで伝統をそのまま継承しているだけなんでしょうかね…。

まあ、映像としては実験的な価値があるのでしょうね。
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