怖かった〜!
総体としては好きな感じ、だと思うのだけれど、その割には評価が辛口になっちゃう作品。
しんどかったというか、結構体力を使ったので……そこが魅力ではあるのは間違いないんですけど。
正体不明のヤバい殺人鬼が出てくるタイプのスリラー(サスペンス?)です。
なのですけれど、この犯人の異常性が(キャラクターとして)魅力的なわけでもなく、また派手な銃撃戦みたいな展開もほぼ見られない。
わかりやすくハラハラを煽ってくるような感じではなく、真綿でじわじわ首を絞めるみたいな地味な怖さがある。
見通しの悪い森の中、いつどこから狙撃されるかわからない、という、「狩られる者」としての恐怖なんかが顕著かも。
好きな点ではあるのですけれど、それはそれとして、もうもりもりスタミナを削られます。
よかったところはやっぱり画の美しさ!
森とか、田舎町の風景とかがとにかく綺麗。特に色合いが印象的で……。
その美しさで何か物悲しさや怖さを表現するような感じが素敵でした。ただの静謐な森なのに、とても恐ろしいものに見えたり、とか。
お話そのものはとにかくシリアスというか、ずっと暗くて重たい感じ。
本当、決して嫌いじゃないはずなんですけど、なぜか「疲れた……」という印象が先に来ちゃう作品でした。