あき

アウトポストのあきのレビュー・感想・評価

アウトポスト(2020年製作の映画)
3.5
実話を元にし、実在の兵士を実名で登場させ再現した映画で、その迫真のほどは極まっている。
でもその戦闘シーンは決して格好いいわけではない。
何度も爆風で吹き飛ばされながら泥だらけで戦い、弾切れの弾薬補給に敵弾の嵐の中を必死辛々走り回り、シャワー中に敵襲に遭い全裸で応戦。
そのいずれもの格好悪くも泥臭く必死に戦う姿が逆に本当のリアルを痛感させられる。
しかしそもそもなぜ戦争に長けるアメリカが基地を山あいの窪地に配置したのか、日本においても桶狭間をはじめ圧倒的に不利になることを歴史が何度も証明してる悪所に陣を張る選択に理解に苦しみ、仲間を次々と失う残酷な戦いを強いられたのはある意味戦略的判断の誤りによる必然と思わざるを得ない。
また、エンドロールでの家族や仲間を失った者たちの決して拭い去れない深い悲しみに胸がつまされるが、
戦争は常に一方の視点でのみ語られるために敵対側の主張や立場が伏されてしまうが仲間や家族を失う悲しみや怒りは敵対するタリバンとて同じであり、
結局武力を伴う戦争はいつまでも消えることのない人の怒りと悲しみを増幅することあっても真の平和をもたらすものではないことを現代においてこの中東との関わりが明白に示していると感じざるを得ない。
あき

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