たむ

ダイ・ハード/ラスト・デイ 最強無敵ロング・バージョンのたむのレビュー・感想・評価

2.9
ありがとうブルース・ウィリスさんという事で、シリーズ一気に観てきましたが、今回の第5作で完結です。
次の第6作も、今のジョン・マクレーンと過去のジョン・マクレーンを描く企画があったとの事ですが、FOXがディズニーに買収され、若い頃のジョン・マクレーンはやりそうな気もしますが、ブルースさんの演じるジョン・マクレーンは本作がラストとなってしまうでしょう。

ついに初めて海外で活躍するわけですが、場所はロシア。
捕まった息子を救うために、またもや大変な事態に巻き込まれていきます。
前作は娘、今回は息子と子供達との関係を修復することと世界を救う事が結びつくわけですが、本作は何とも微妙な出来に…。
やはり海外での大乱闘と大活躍はこれまでの映画とは全く異なってしまい、バディ映画としても他人と組むサスペンスとは違うものになっています。
アクションはド派手にはなっていますが、物語には活かされていない点が残念です。

『ダイ・ハード』シリーズを総括すると、第3作が分岐点になっており、シリーズの持つ面白さが減っていってしまいます。
つまり、クリスマスという時期、限定された空間、単独行動と外からの協力、妻との関係。
第1作と第2作の面白さの核がこれらにあったわけですが、バディ映画になり、舞台は限定された空間から街となって、妻ホリーは出てこなくなる…。
確かに新規性は出てくるかもしれないのですが、どんどんと本流から外れていってしまった印象は拭えません…。
第3作まではサミュエル・L・ジャクソンさんとバディになったり、オスカー俳優が敵役だったりとキャスティングも強力なものでした。
第4作、第5作のキャストの地味さも残念な点でもあります。
巻き込まれ型の世界一運の悪い男、ジョン・マクレーン刑事。
映画史上に残るインパクトはヒーローらしくない愚痴と悪口の独り言と妻や子供達の関係に葛藤する人間味のある、共感できるキャラクターこそが魅力です。
そこを活かしきれるのが、先に上げた面白さだったと思います。
それを体現したブルース・ウィリスさんの個性なくしては、語れないキャラクターでしたね。
たむ

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