憐れな被害者であるはずの巻き込まれ男が、どんな怪物や悪人より強い。
正直、怖がらせる気が全く感じられない演出に終始するためホラーとしては0点だが、コメディとしては雑な構成も手伝ってかなり面白い。
ニコラス・ケイジ、とにかく強い。
人間を容易く殺傷する破壊力を宿した悪魔のロボットを普通にぶち壊す上に不意打ち以外ではほぼ無傷で勝つ。
おまけに、持ち込んだコーラっぽい飲み物は決まった時間に必ず飲み、見つけたピンボールでガッツリ遊ぶ。
正直、「コイツなんなん？」ってなる。
ロボが暴れたりロボを破壊したりで、物が壊れたり床が汚れたりすると「面倒くさ…」って表情を浮かべるだけなのもまた、「コイツなんなん？」に拍車をかける。
他のキャラは同ジャンルホラーの定石通りに死んでいくため、ニコラス・ケイジの浮き方がハンパない。
だが、この映画に関しては「だがそれがいい」と言わざるを得ない。
もう一度言う。ホラーとしては0点だが、コメディとしては文句なく面白い。
まあ、中盤のフラッシュ点滅が嫌だったのには、文句を言いたいけど。
