サトタカ

ウィリーズ・ワンダーランドのサトタカのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

わたし、基本的にニコラス・ケイジという役者さん、くどい顔や豊かな表情、出演作を選ばない姿勢ふくめ好きなんですよ。
(尊敬する)プレスリーの娘さんとも結婚してたし、その後アジア系女性と結婚しちゃうあたりもなんかいい。
車好き、アメコミ好き、そのうえラモーンズのジョーイ・ラモーンと親友だったなんて…好き…。

先日、園子温監督の「プリズナーズ・オブ・ゴーストランド」でもユーモラスな演技を披露してくれていましたが、そのときは一応「ヒーロー」という名前(?)があった。今作では名無し…。そして一夜限りのアミューズメントパーク清掃人というね。
ハードボイルド作品で主人公男性が寡黙っていうのはよくあるけど、この名無し清掃人はマジでしゃべらない。

廃墟同然のウィリーズ・ワンダーランドの中の動物を模したロボットたちが、とある理由で人を襲ってくるんだけど、名無し清掃人がなぜかやたら強くて、動物ロボットが出てくる度にボコボコにして破壊。鮮血ではなく、黒い油を吐き、火花を飛ばしつつ絶命するロボットたち。

名無し清掃人は、ものすごく律儀でテキパキと園内の清掃作業を続け、定期的に休憩を取る。ただ、ロボットと戦うとせっかくキレイにしたところが汚れたり、壊れたりするんで、見ていてそれが心配になってくる。

「あ、せっかくニコラス・ケイジがキレイに掃除したのに、またよごれちゃった…」と悲しくなるが、彼は気にする素振りすら見せず、ロボットと戦い、掃除し、休憩を取る。表情もろくに変えず、もくもくとそのルーティンをこなす。トイレ掃除するニコラス、休憩でエナジードリンク(酒か何か入ってるのかな?)を飲み、支給のTシャツを着替え、ピンボールに興じるニコラス、しゃべらないニコラス・ケイジ、たまらん。

話も単純でまったく頭を使わず楽しめる。劇中の歌がオリジナルなのかな?絶妙なクォリティの楽曲の数々がまた愛くるしい。

ヒロインの不良少女がいまひとつわたくしの好みでなかったのだけが残念。それ以外は保安官のおばちゃんもオーナーも自動車整備のおっさんもヒロインの友人たちもいいかんじだった。

好きだわ、このオフビートな映画。
一心不乱に掃除し、休憩を取り、襲ってくるから仕方なく敵を退治する。どこかニコラス・ケイジ本人とも重なるストイックな名無し清掃人。いい。

ニコラス・ケイジを愛する「オトナ」の方におすすめします。期待値は低めでね!
サトタカ

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