LEONkei

別れのこだまのLEONkeiのレビュー・感想・評価

別れのこだま(1976年製作の映画)
1.5
まず画質の悪さに残念、悪いってもんじゃない。

遥か昔の学生の頃マスターテープから1万回以上ダビングされたであろう話題の裏ビデオを、友人から入手しテープが擦り切れ寸前の粗く色褪せ具合に肝心な内容が不明瞭だった記憶が甦る。

違った意味で若き青春時代を思い出させる懐かしさで涙腺が緩みそうになるが、音楽もチープで甘ったるくスウェーデン直輸入のB級感を冒頭から漂わせ更に音質も悪く観る気力を失わせる。


こんな事を言ったが物語は物凄くシリアスで少ない登場人物も皆好演で、家族・人生そして死について深く考えさせられ素晴らしい。

難病によって余命数日の12歳の少女の揺れる心境心理と、命への考え方の異なる父と母との関係性は切実に考えさせられる。

全く重苦しく感じさせないのは素朴な〝ジョディ・フォスター〟の演技に尽き、同年に公開された『タクシードライバー』や『ダウンタウン物語』と全く別人の役柄をこなしたからだろう。

両親の愛する娘への思いは同じでも、考え方の違いで父母の行動は180度異なる。


遅かれ早かれ人間は必ずいつか死を迎えるが、身近な愛する人の死が近づいたときすべき事のヒントがあるかも知れない。

それは当人にとっても残された人にとっても。


映像と音楽(音質)が良ければプラス2.0くらい加算したいくらい..★,
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