TaiRa

もう終わりにしよう。のTaiRaのレビュー・感想・評価

もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)
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原作あってもやっぱチャーリー・カウフマン。観ていて辛くなった。

原作はシンプルにミステリー形式で書いてあるらしい。おそらく最後に意味が分かる構成なのだと思う。カウフマンはそれを冒頭で明かしちゃってる。なので謎とかは特にない。引用されたテキストや人名、作品は調べれば分かるし、特に意味はない。意味がないことに意味がある。もちろん彼の興味が向いたという点で共通性はある。それはカウフマンにも通ずる共通性。でも、それはやっぱりどうでもいい。そのどうでもよさに泣けてしまった。あぁ、俺の人生もそうなるかもしれない、と思った。「その考えが頭から離れない/そんな事考えた事もなかったのに」──いつこうなるか分からない。今まで1ミクロも考えた事ないけど、中年過ぎたらどうだろう、とはたまに考える。だから辛い。彼と特別違う点もないし。彼の選択を受け入れてしまうのも後ろめたい。でも誰が止められるんだろう。希望なんて言い出しても無意味だし。悲しむ人なんてのがいればまだしも、いなかったらどうする。最近そういう報せを耳にする度思う。彼が彼女に廊下で出会うところが切なかった。「誰も見てない。君以外は。君を見てる」せめて夢が抱きしめてあげる。悲しかった。
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